101 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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A ちゃんは入院7日に術中胆道造影検査で胆道閉鎖症(biliary atresia)と確定診断された。手術は無事に終了した。術後は絶食となり、腹腔ドレーンが挿入され、持続的点滴静脈内注射が行われている。母親は疾患や治療について理解している。術後3日、付き添っていた母親は看護師に「A はおなかが空いて泣き止まないし、私はAを抱っこもできず、何もしてあげられません。つらいです」と涙を浮かべて話した。
看護師の母親への対応で、最も適切なのはどれか。
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詳細
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1. 話しかけやおしゃぶりの活用など母親ができることを伝える。
2. 早期発見だったので ちゃんは早く退院できると説明する。
3. 心療内科の受診を勧める。
4. 患者家族会を紹介する。
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話しかけやおしゃぶりの活用など母親ができることを伝える。
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102 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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術後5日、A ちゃんは経口摂取が可能になり順調に経過している。医師から母親に、胆汁の排泄を促すために利胆薬の内服が重要であると説明があり、散剤が処方された。母親から看護師に「赤ちゃんに粉の薬をどうやって飲ませたらよいのでしょうか」と質問があった。看護師は散剤を( )に混ぜて飲ませることを説明した。
( )に入るのはどれか。
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詳細
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1. 果 汁
2. 白 湯
3. 人工乳
4. はちみつ
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白 湯
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103 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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次の文を読み 103〜105 の問いに答えよ。
A さん(30 歳、初産婦)は X年2月5日に妊婦健康診査のために来院した。X年2月のカレンダーに A さんの受診日と分娩予定日を示す。
看護師は、医師から A さんの母子健康手帳に受診時の妊娠週数と日数を記入するよう依頼された。
A さんの受診時の妊娠週数および日数で正しいのはどれか。
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詳細
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1. 妊娠 35 週5日
2. 妊娠 35 週6日
3. 妊娠 36 週5日
4. 妊娠 36 週6日
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妊娠 36 週5日
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104 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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A さんに Leopold<レオポルド>触診法で触診を行ったところ、第2胎向で、子宮底付近にやや柔らかい球状の塊を、恥骨結合側に硬い球状のものを触れた。
腹部前面を図に示す。
A さんの胎児心音聴取部位で適切なのはどれか。
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詳細
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1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
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③
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105 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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A さんは「自分の子どもが生まれて、どんなふうにあやすかな、とか、オムツを替えるかなと自分が子育てをしている場面を思い浮かべます」と笑顔で話している。
看護師は A さんの様子をルービン,R. (Rubin, R.)が示した母親役割獲得過程に当てはめてどの段階にあるかをアセスメントした。
A さんのアセスメントで適切なのはどれか。
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詳細
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1. 空 想
2. 模 倣
3. 取り込み
4. ロールプレイ
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空 想
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106 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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次の文を読み 106〜108 の問いに答えよ。
A さん(34 歳、初産婦)は順調な妊娠経過であった。妊娠 40 週5日の午前8時、10分毎の規則的な子宮収縮を主訴に来院し、医師の診察の結果、入院となった。入院時の胎児心拍数基線は 130 bpm、胎児の推定体重は 3,300 g であった。
入院時の A さんと胎児の状態で正しいのはどれか。
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詳細
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1. 過期産である。
2. 高年妊婦である。
3. 胎児心拍数基線は正常である。
4. 低出生体重児となる可能性が高い。
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胎児心拍数基線は正常である。
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107 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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午後0時、助産師が内診したところ、子宮口開大4cm であった。A さんは陣痛発作時に腰痛を強く訴えている。A さんの夫(37 歳)は、夫婦で出産体験を共有したいと両親学級を受講しており、入院時から A さんに付き添っている。夫はAさんの陣痛発作時、心配そうに A さんの様子を見つめているが、陣痛間欠時にはうとうとしている。訪室した看護師に、夫から「妻が痛がっているのですが、どうすればよいでしょう」と質問があった。胎児心拍数基線は 140 bpm であった。
このときの看護師の夫への対応で最も適切なのはどれか。
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詳細
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1. 別室での休憩を促す。
2. 分娩経過について説明する。
3. さんと病棟内を歩行するように促す。
4. 産痛を緩和するためのマッサージの実施を促す。
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産痛を緩和するためのマッサージの実施を促す。
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108 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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A さんの分娩は順調に進行した。午後5時に破水し、午後6時には子宮口開大8cm となった。「便が出そうです。もう、これ以上頑張れない」と陣痛発作時には全身に力が入っている。
このときの看護師の声かけで正しいのはどれか。
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詳細
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1. 「リラックスするためにお風呂に入りましょう」
2. 「赤ちゃんのために我慢しましょう」
3. 「トイレに行って排便しましょう」
4. 「息を吐いて力を抜きましょう」
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「息を吐いて力を抜きましょう」
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109 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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次の文を読み 109〜111 の問いに答えよ。
A さん(68 歳、男性、自営業)は、妻(73 歳)と2人暮らし。A さんの就寝時刻は 21時で、入眠後 90 分以上が経過した睡眠中に、大声で叫び、腕や足を振り回し暴れる行動が繰り返しみられたが、昼寝では夜間のような行動はみられない。日中、台所で子どもが遊んでいると言い、妻が台所を確認しても誰もいないことが何度かあった。
心配になった妻がAさんとともに病院を受診し、Lewy<レビー>小体型認知症(dementia with Lewy bodies)と診断された。
A さんに出現している睡眠障害はどれか。
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詳細
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1. ナルコレプシー(narcolepsy)
2. レム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder)
3. 睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)
4. 睡眠・覚醒スケジュール障害(sleep-wake schedule disorder)
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レム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder)
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110 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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A さんは定期的に精神科外来を受診することになった。受診6か月後、A さんは足の筋肉がこわばり、動きが鈍くなった。また、幻視を訴える頻度が増え、感情のコントロールができず、妻に暴言や暴力を振るうことが多くなったため、精神科病院に入院となった。入院2日、A さんは歩行時に床に子どもが寝転んでいると訴えて、子どもをよける動作で転びそうになった。また、突然、興奮して大声で怒り出すため、同室患者が苦情を訴えた。
A さんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
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詳細
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1. さんに別の病室へ移動することを提案する。
2. 歩行時は看護師と一緒に歩くように声をかける。
3. 怒りをコントロールできる方法を見つけるように伝える。
4. 床に子どもがいるように見えるのは幻視であることを説明する。
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歩行時は看護師と一緒に歩くように声をかける。
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111 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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A さんの入院中に妻は自営業の仕事を減らし、自宅でAさんを介護する準備を整えた。A さんが退院し、3か月が経過したころ、A さんの妻が3週間程度の予定で入院して手術をすることになった。A さんは杖を使用し散歩ができるが、入浴や食事については妻が介護を行っていた。
妻の入院中にAさんに必要なサービスはどれか。
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詳細
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1. 短期入所<ショートステイ>
2. 精神科病院への入院
3. 重度訪問介護
4. 同行援護
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短期入所<ショートステイ>
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112 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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次の文を読み 112〜114の問いに答えよ。
A さん(23 歳、女性)は大学を卒業後、会社に就職して1人暮らしを始めた。入社後に「会社の制服が似合うようになりたい」とダイエットを始め、次第にるいそうが目立つようになった。「太るのが怖い」と言って食事を拒否するようになり、体重は1年間で 10 kg 減少した。しかし、本人は「まだ太っているから、痩せないといけない」と話していた。久しぶりに A さんと会った母親が、過度のるいそうを心配して、内科受診を勧めた。内科ではるいそう以外に大きな異常を認めず、精神科受診を勧められた。精神科では神経性無食欲症(anorexia nervosa)と診断され、外来通院を開始した。その後、低血糖によるふらつきのため職場で頻回に転倒するようになった。それでも食事を十分に摂らないため、精神科病棟へ入院した。入院時、身長 166 cm、体重 36 kg であった。入
院後、食事のほかに点滴による栄養補給が始まった。
治療開始早期に看護師が最も注意すべき観察項目はどれか。
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詳細
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1. 脱 毛
2. 浮 腫
3. 抑うつ
4. 嚥下障害
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浮 腫
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113 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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入院後週が経過した。食事のときに A さんは食べ物を細かく刻み、1時間以上時間をかけるが、摂取量は全体の 25 % 程度である。時間があるとベッド上でいつもストレッチを行っている。A さんと話し合ったところ「私はこの病棟で太っているほうだから少しでも痩せなきゃ」と話した。
看護師の関わりとして適切なのはどれか。
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詳細
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1. 体重測定の回数を増やす。
2. 鏡でAさんの全身を映して見せる。
3. 痩せたいと思う気持ちについて話し合う。
4. さんは他の患者よりも痩せていると伝える。
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痩せたいと思う気持ちについて話し合う。
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114 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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入院後3か月が経過した。A さんは体重が 41 kg まで増加し、主治医と相談して、退院の準備をすることになった。看護師に対して、A さんは「退院後はすぐに仕事をしたい」と話したが、母親は「ゆっくり自宅で休養してほしい」と話した。母親の面会時に、今後の仕事や生活に関する話題が出ると、A さんはイライラして母親と口論になることが多くなった。父親は仕事が忙しいことを理由に、面会に来たのは一度のみであった。
今後導入する必要性が最も高いのはどれか。
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詳細
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1. 家族療法
2. 作業療法
3. 自律訓練法
4. 精神分析療法
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家族療法
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115 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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次の文を読み 115〜117 の問いに答えよ。
A さん(73 歳、女性)は夫(73 歳)と人暮らし。6年前に Parkinson<パーキンソン>(Parkinson disease)病と診断され、レボドパを1日3回内服している。Hoehn-Yahr<ホーエン・ヤール>重症度分類のステージⅢ、要介護である。夫が付き添い神経内科外来に月1回、杖歩行で通院している。外来受診のとき、A さんは足がすくんで転びやすくなったことを主治医に相談し、レボドパを 1日4回に増量して様子を見ることになった。A さんと夫は薬の副作用<有害事象>について外来看護師に尋ねた。
外来看護師が A さんと夫に説明する副作用<有害事象>の内容で正しいのはどれか。
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詳細
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1. 低血糖
2. 体重増加
3. 呼吸器症状
4. 不随意運動
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不随意運動
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116 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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1か月後の外来受診のときに、A さんは「いつもと違う時間に入浴したら転んでしまった。怪我をしなくてよかった」と主治医に話した。主治医から勧められ、Aさんは訪問看護を週に1回利用することになった。
今後Aさんが安全な入浴をするために訪問看護師がアセスメントする内容で最も優先するのはどれか。
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詳細
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1. 浴室の床の素材
2. 居室から浴室までの距離
3. 転倒による打撲痕の状態
4. 日常生活動作の日内変動
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日常生活動作の日内変動
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117 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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3か月後、A さんは「夫は家事を楽しんでいるようで助かっていますが、友人と外出したいと言っています。私も最近は転ぶこともなくなったので、身体を動かしたり、レクリエーションに参加してみたいです」と訪問看護師に話した。
訪問看護師が A さんに提案するサービスで最も適切なのはどれか。
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詳細
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1. 通所介護
2. 訪問介護
3. 訪問入浴介護
4. 短期入所生活介護
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通所介護
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118 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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次の文を読み 118〜120 の問いに答えよ。
A さん(28 歳、女性、外国籍)は3年前に日本人の夫と結婚し来日した。簡単な日本語を話せたため、来日した半年後からコンビニエンスストアでアルバイトを始めた。最近になり、夫は仕事で帰りが遅くなることが多くなった。A さんが「お客さんが自分の悪口を言っている」と話したが、夫は気にしなかった。その後、アルバイト先の上司から「A さんが奇声を発している」「ぶつぶつと独り言を言って歩き回っている」と夫に連絡があった。夫が病院に付添い精神科外来を受診し、統合失調症(schizophrenia)と診断されて入院となった。入院時、A さんの髪は乱れ、誰かに見張られている気がすると怯えていた。
入院当日に看護師が行う情報収集で最も優先するのはどれか。
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詳細
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1. 症状が日常生活に与える影響
2. アルバイト先の人間関係
3. 医療用語の理解力
4. 精神疾患の家族歴
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症状が日常生活に与える影響
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119 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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入院後、担当看護師は毎日面会に来ている夫の表情が気になり声をかけた。夫は「先生から統合失調症(schizophrenia)には様々な症状があるとお聞きしました。入院して妻は落ちつきましたが、これからどう接していけばいいのか悩んでいます」と話した。担当看護師はチームカンファレンスで夫の様子を伝え、主治医の判断で、夫に家族心理
教育への参加を促すことになった。
担当看護師が夫に家族心理教育を勧める声かけで適切なのはどれか。
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詳細
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1. 「さんの症状と対応について学ぶことができます」
2. 「ご家族に参加して頂くことが退院の条件です」
3. 「家族同士の自助グループです」
4. 「匿名で参加できます」
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「さんの症状と対応について学ぶことができます」
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120 |
看護師国家試験(第111回)(午前) |
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入院後2か月が経過した。A さんは独り言を言うことはあったが、他の入院患者と口論になることはなかった。作業療法士から「A さんは手先が器用で、作業療法中は楽しそうに過ごしています」と情報を得た。退院に向けた担当看護師との面談で、A さんは「手芸が楽しかった」「家に人でいると寂しい」と話した。
退院に向けてAさんに提案する社会資源として適切なのはどれか。
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詳細
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1. 共同生活援助<グループホーム>
2. 短期入所<ショートステイ>
3. 通訳のボランティア
4. 精神科デイケア
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精神科デイケア
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